写真 はざかい
「端境(はざかい)」を「葉境」とかくのは当て字のひとつらしい。
でも、私が気になるのは、この葉っぱの境だ。
樹木に茂る葉は、ブロッコリ-のように球形をなす。
地面から樹木を見上げると、葉の茂みは図として、背景の空は地として見えて、その境界は、水平線や地平線のように、一本の線に見える。
ところが、この境界面は実際のところ、一枚一枚の葉っぱの群れで、決して固まりでもない。だから、その境界面は、毛糸のセーターの表面のように、地と図が入り交じっている。
境界面には「在る」と「無い」が入り交じっている。
在ると無い、yes とno、1と0を、はっきりと分ける文明のおかげで、、こうしてブログを簡単に書けることことに感謝をしながらも、一方で、この文明が淘汰してきた別な「在る」と「無い」の在りようについて思いをはせてみる。
「在る」と「無い」が入り交じった状況のままに、ものごとを進める余裕のある文化というものを、せめて想定することで,暮らしの豊かさについて考えたい。
身の回りにある「はざかい」がそれを教えてくれる。
* 掲載の3枚の写真作品「はざかい」は、2009年にギャラリーキャプションで発表した。
2011.05.10 | | コメント(0) | トラックバック(0) | 作品
